2007年12月14日

甘えるな!研究者

 このブログの共同執筆者の立花さんが、分子生物学会、生化学会合同大会の日本分子生物学会 若手教育シンポジウム「今こそ示そう科学者の良心―みんなで考える科学的不正問題―」に出席されたことをブログに書いている

 まあ、こういうシンポが学会で開かれることだけでも評価に値するのだが…

 しかし、行政にORIのような組織を作ってくれ、と懇願するなんて…研究者の自立性の放棄としかいいようがない。

 毎日新聞理系白書のなかで、山崎茂明・愛知淑徳大教授が「不正行為を、科学コミュニティーだけで解決しようというのはナンセンスだ。自分たちの世界だけで何かをやろうというのは限界がある。」と発言しているが、それはあくまで「だけで」ということ。

 科学コミュニティが率先して行うことなしに行政に丸投げすることはゆるされない。

 科学コミュニティの意識改革は遠い…


 なお、このシンポにからめて、私のインタビューが毎日新聞理系白書に載る予定。

 社会との関わりを意識することが不正を防ぐなどと話した。

 研究者よ、もっと社会へ!
posted by fukashima at 00:44| Comment(11) | TrackBack(3) | 研究の不正問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大変興味深く拝見させていただきました。

私は05年7月に科研費を不正使用したとして
懲戒解雇になりました。これを不当として
大阪地裁に提訴しましたが、残念ながら
「目的外使用」を認定され、「懲戒解雇も
不当ではない」とされてしまいました。

現在これを不当として控訴を準備しています。
事情をご説明して、またお知恵をお借りしたい
と思いますので、よろしければご連絡下さい。
Posted by 中根 和昭 at 2007年12月17日 11:25
私どもにできることがあるか分りませんが、何かございましたらご連絡ください。
Posted by enoki at 2007年12月19日 21:55
丸投げ発言をした者です。
「甘えている」と映りましたか?
私は、「支援」という言葉を発言の度に繰り返しました。そこに、「丸投げ」という意思を含めておりません。
私は、ミスコンダクトにおける問題提起は科学者の側からも為されていると思います。行政が作成した不正行為対応ガイドラインは、先行の日本学術会議 学術と社会常置委員会が作成した「現状と対策」を受けてのものであり、決して研究者が行政に丸投げしてできたものではありません。行政は、ガイドラインを作りましたが、これで行政の役割が終わり、とは思いません。行政と研究者が、お互いにやれることはまだあると思っています。私は、ORIの「ような」機関の必要性について、菱山さんに伺いましたが、彼のORIのイメージは「警察的」なものが強かったように見受けられましたので、「ORIは教育にも重点をおいて」と前置きをした上で、「(ケーススタディやその周知で)行政の支援があればと思います」と発言しました。その回答が引用のブログの菱山さんの発言になります。短い時間ですから、お互いの齟齬を認めた上で、その場での反論は行ないませんでした。
研究者にしてみれば、行政が放っておいてくれる方がいい、という立場もあるでしょう。研究者の自主自立で事を進めるべき、という意見はむしろ研究者側のマジョリティであるかもしれません。しかし、私は、研究者の自主性をたぶん信じていません。ミスコンダクトを研究者自身の手で全て排除することはできないと思います。例えば、「生データが残っていない論文はあってはならない」とすれば、多くのミスコンダクトの疑義の白黒を判定できるでしょう。しかし、これを研究者コミュニティが受け入れることはないと思います。もちろん、研究者は、この問題を重大に捉えています。しかし、従来の科学者コミュニティの精神構造から踏み出すには、行政からの指導・支援が必要(あったらいいな)だと思っています。
また、ORIの「ような」組織の提案には、行き場のないポスドクの人材活用と言う視点も持っています。その人材育成に行政の支援というものは不可欠だと思っています。

問題の大きさに比して、散文的なないようになりましたが、ご容赦下さい。
Posted by 池上徹 at 2007年12月23日 23:49
池上様。貴重なコメントありがとうございます。

私自身は神戸在住でして、あの場にはいませんでした。あくまでこの共同ブログのもう一人の管理者の立花さんのブログを読んだ感想です。失礼な表現があったとしたらお詫びいたします。

ORIが教育に力を入れている、という点は、山崎茂明先生の著書などでも存じています。

ミスコンダクトといっても、明らかな不正(FFP)から、QRPと呼ばれるグレー領域まであり、それをどうしていくかというのは、難しい問題があります。

是非白楽ロックビル先生が紹介してくださっている以下の論文をお読みくださると幸いです。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~haklak/Column/226Column/v226_paper07.htm

もちろん行政が何もしなければいい、というわけではなく、役割はあると思うのですが、QRPに対処するには、政府だけではなく、研究者の自主性がやはり重要になってくると思います。

私の一方的な印象かもしれませんが、研究者コミュニティの不正問題への関心はやや薄いように感じます。

池上先生のように、あのシンポジウムに出席してくださり、発言をしてくださるような方は関心が深いと思うのですが、研究者コミュニティがこの問題を自分の問題として考えるような雰囲気をつくるためにどうすればよいのかと思ってしまいます。

いずれにせよ、研究不正に対処するためにどうすればよいか、議論が深められればと思います。

どうぞよろしく御願いいたします。
Posted by enoki at 2007年12月24日 00:30
池上様
コメントいただきありがとうございます.
私は会場で直接話を聞いていましたが,菱山さんと同じようにとってしまいました.これまでの文科省の研究不正問題の委員会の流れも伏線にあったので(私自身も一部傍聴して流れの大枠は見てきているので)「研究者のことは研究者で」という前提を維持したいと委員会の研究者の方々はいっているのに,何でまた自分から首を絞めるようなことをいうのだろうかという気になったのだと思います.

あの場では,十分な議論ができない環境にあったと思います.分生では来年,また同じようなイベントをやるようですが,同じような会を1年後にやっても,たぶん話は前に進まないと感じています.

私が心配するのは,榎木さんも書いているように,研究者コミュニティの不正問題への関心はやや薄いのではないかということです.どうも他人事のように感じてしまいます.

サイコムあたりがこの問題を議論の俎上に載せて自主企画をしないといけないのかもしれません.実現可能性を諮る必要はあると思いますが.



Posted by K_Tachibana at 2007年12月24日 01:01
研究不正の実態の一つの、盗用の被害にあっている者です。私は企業研究者で、盗用を行っているのは阪大の名誉教授と現教授、当該研究室の元博士過程院生で、現・某*立製作所研究員達です。研究の盗用は醜いものです。研究不正の問題は、単なる倫理の問題ではなく、被害を伴う犯罪です。このことを踏まえた議論になって欲しいと思います。
Posted by 長澤浩 at 2007年12月24日 01:48
k_Tachibanaさん、長澤さん、コメントありがとうございました。

サイコムで何かしなければ、というのは私も感じます。

長澤さん、大変苦しい思いをされたこと、お察しいたします。

阪大で自殺者が出たりしていますが、不正は権力の問題、すなわちアカデミックハラスメントも絡み、犯罪として考えないといけない部分もあるのだと思います。

もちろん、上で挙げた白楽先生の文章のように、不正と一口に語られる内容は実は幅広く、余計なデータを取り除いたピッキング、クリッピングなど、グレーっゾーンの領域が広がっています。

様々な場合にわけて、きっちり議論していければと思います。
Posted by enoki at 2007年12月24日 16:01
enokiさま、Tachibanaさま。
わざわざご返信くださりありがとうございます。

>enokiさま

ご紹介の論文和訳の方だけ読みました。原典はのちほど精読させていただきます。ご紹介ありがとうございました。「和訳」だけの感想といたしましては、私自身は、「FFP」と「QRP」は分離せずに、ミスコンダクトという大枠で考えていました。勉強になります。
科学者コミュニティというのは、FFPがあっても、それは科学者コミュニティ自身の自浄作用(追試、ピアレヴュー)によって淘汰されると思っています。実際に、私がこの問題についての問題提起を行っても「大事な問題だけどそう云うのは自然と淘汰される」とか「ガイドラインがあるのにそれ以上のことをする必要があるのか?」という壁に突き当たります。

>Tachibana

そうですね。研究不正問題における議論の流れを知っている人にとっては、そう受け取る方が自然だと思います。あの場での私のaudienceは、ガイドラインも告発窓口も知らないORIなんて初めて聞くであろう(「知っていますか?」という聞き方には問題があって、私はそれを利用していました)人々で、彼らに向かってのアピールを含んでいましたので、菱山さんには申し訳ない質問であったかもしれません。反省するところです。

このサイトは、つい最近知りましたので勉強させていただきたいと思います。
Posted by 池上徹 at 2007年12月25日 09:59
研究環境整備のお手伝いをしているものです。研究者不正防止にもとても関心を持っています。

すごい前の記事なので申し訳ないのですが、トラックバック送信いたしましたので、よろしくお願いします。

Posted by masa at 2009年06月03日 10:26
ご無沙汰いたしております。

このたび、大阪大学当局に対し、正式に工学研究科マテリアル生産科学専攻、廣**夫教授,前任者・小***郎名誉教授、(卒業生)井**一(現・日*製作所研究員)の研究盗用を告発致しました。

証拠書類等揃えて、実名を持って告発・申立書を出しました。

契機になったのは、この7/1に、彼らとその卒業生が勤める日*製作所のニュースリリースに、これ以上の放置に耐えられなくなりました。

阪大に自浄能力が残っている事を願います。
Posted by 長澤 at 2009年08月21日 10:29
現時点では、私がこの事態を「研究不正」と断じているだけで、現在客観的に「盗用」と判断されているわけではありません。今後阪大の不正行為の判断機関が証拠を基に判断を下す事になると思います。
この事案の概略を掻い摘んで言えば、今回の「盗用事件」は通常の「盗用」事件、アイデア・研究成果の無断利用とは、少し異なります。多分通常の盗用でしたら、盗用された本人が気づきにくいところで利用する事でしょうが、今回の場合は、「研究の詐取」に近いものだと思います。

 私は、1995年にある種の銀ナノ粒子の大量合成法を発見し特許製品の開発に成功しましたが、この発明を当時の勤務していた会社の社長に疎まれ首になりました(この話は別途無茶な話です)。また、その別種の合成法を1999年に見出しました。(特許:USP・JP成立及び論文にて証明可能)  1999年にE社に転職、ここで同じくナノ粒子を用いるマイクロ接合法を考案(特許にて証明可能:USP・JP成立) 2002年に工場見学に来た阪大工学研究科マテリアル生産科学専攻、廣* *夫教授,前任者・小* **郎名誉教授、(当時・小* **郎教授、廣* *夫助教授)に、社命でナノ粒子とこれを用いるマイクロ接合法のプレゼンを実施、彼らから共同研究を持ちかけられ、共同研究を実施したと思わされる。(経緯を示すメール資料有り)
 2003年春には目標値達成、2003年秋の学会発表を目指す。
 ここで、E社幹部からの横槍があり、私の名前が出る事を忌避される。 私は、他研究室との競争もあり秋の学会発表に限って材用引用明記の上で発表を認めたが、業績となる論文へは連名とすることを求めた。 2003年秋の学会シーズンでの4件の発表を行い、私は立ち会えなかったが、好反応があった旨連絡があった。
 その後、私から連絡しても色々なはぐらかしにより、連絡が取れず。2005年1月に、小*教授から電話があり、まだ仕事は続いている事、追加情報欲しいとの事で色々な情報を聞き出された。
 その後また、連絡が途切れた。
 ある日、ある人に、朝日新聞科学欄に「阪大グループ・ナノ粒子接合に成功」の記事があることを指摘され見ると、当方の寄与が一切記載されず、その後判明したのは、何の連絡も無く2004年から何件もの論文発表がされており、その中には私の業績は一切記載されていない事を発見いたしました。
 当時勤めていたE社に問題点を指摘して抗議する事を提案したのですが、E社の名誉会長と副社長が当該研究室の卒業生と言う事もあり、私の提案は否定されると共に結局会社を解雇されました。

 その後、やっと生活を立て直しまし、間接的に廣*氏に不正を止めるように警告しましたが、ますます不正行為は進行し、最近の論文には、ナノ粒子まで自分たちのアイデアであるような記載になっております。

 入手した論文を証拠として提出しました。
(彼らのホームページから入手した論文リストからは他にも論文が多数27本あり、10数本ほど入手しました)

 これらの、大半が、井* *一(現・日*製作所研究員)君がファースト名なのですが、彼が修士2年のとき私が直接技術指導をし、彼が私に「大学院に来てもらったテーマ:高温はんだ代替に行き詰っていた。Nさんのナノ粒子で研究を続ける希望が出来た」との言葉が今でも私の耳に残っています。
 彼は、その後博士課程でこのテーマで学位を取ったようですが、私は中身を知らされていません。

 彼らは、2002年までナノ粒子に係る仕事をしていませんし、初期論文ではナノ粒子を説明するのに私の論文を引いています。客観状況として普通に考えても矛盾だらけです。
 これらの証拠と参考資料を出しました。
 彼らの言い分を聞いて見たいものです。
Posted by 長澤 at 2009年08月22日 02:58
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